突然襲ってくるめまい。実は、めまいはさまざまな病気のサインかもしれません。今回はめまいの原因や症状、受診のタイミングについてご紹介します。
めまいとは?症状の種類と特徴
めまいには主に以下の分類があります。
原因による分類
脳の疾患によって起こる「中枢性」と、内耳の疾患で起こる「末梢性」のめまいがあります。中枢性では、ものが二重に見える、呂律が回らない、手足がしびれる、などの症状を伴うことがあります。末梢性では、耳鳴り、音が聞こえにくい、耳の閉塞感などの症状を伴うことがあります。
性状による分類
めまいの性状には、「回転性」「浮動性」「立ちくらみ」があります。 回転性めまいは、自分や周囲が回っているような感覚があるめまいです。内耳の問題が原因となることが多く、激しい場合は吐き気を伴うこともあります。 浮動性めまいは、ふわふわと体が宙に浮いたような不安定感があるめまいです。貧血や低血圧、自律神経の乱れなどが関係していることがあります。 立ちくらみは、急に立ち上がった時などに一時的に視界が暗くなるめまいです。血圧の急激な低下が主な原因です。
これらの症状が単発で起きる場合もありますが、繰り返し発生する場合は何らかの身体の不調のサインかもしれません。
内科で診察できるめまいの主な原因
めまいの原因は多岐にわたりますが、内科で対応できる主な原因としては以下のようなものがあります。
1.中枢性めまい
脳梗塞や脳出血などの脳の病気によって起こるめまいです。緊急性が高い病気であり、早急な対応が必要です。
- ものが二重に見える
- 呂律が回らない
- 手足や顔面の動かしにくさ、しびれ感
- 歩行障害
などの症状があったらすぐに救急車を呼んでください。
2.貧血
赤血球やヘモグロビンが減少すると、全身に十分な酸素が行き渡らなくなります。その結果、脳への酸素供給も不足し、めまいや立ちくらみを引き起こします。
日常生活での注意点:
- 鉄分を多く含む食品(レバー、ほうれん草など)を積極的に摂取しましょう
- 黒い便、赤い便が出ていないか確認しましょう
- 息切れ、疲れやすさなどの症状に注意しましょう
3.低血圧・起立性低血圧
急に立ち上がることで血圧が下がると、一時的に脳への血流が減少し、めまいが起こります。特に朝起きた直後や長時間同じ姿勢でいた後に起こりやすいので注意しましょう。
以下の3点に注意しましょう。
- ゆっくりと起き上がる
- こまめに水分を取る
- 適度な運動で血行を良くする
4.高血圧
血圧が高い状態が続くと、脳の血管に負担がかかりめまいを引き起こすことがあります。また、高血圧の薬の副作用でめまいが生じる場合もあります。
以下の3点に注意しましょう。
- 過剰な塩分摂取を控える
- アルコールやカフェインを取り過ぎない
- 定期的な血圧測定を行う
5.自律神経の乱れ
強いストレスを受ける、あるいは疲労が抜けない、不規則な生活習慣が続く、といったことがあり自律神経のバランスが崩れると、血圧や体温の調整が正常に行われず、めまいを感じることがあります。
以下の3点に注意しましょう。
- 規則正しい生活を送る
- 十分な睡眠をとる
- リラックスする時間を作る
6.糖尿病
血糖値の急激な変動によってめまいが起こることがあります。特に低血糖の場合は、脳のエネルギー不足によりめまいだけでなく、冷や汗や手の震えなどの症状も現れることがあります。
以下の3点に注意しましょう。
- 規則正しい食事を心がける
- 極端な食事制限をしない
- 医師の指示に従った服薬・インスリン注射を行う
めまいを感じたら確認したい症状チェックリスト

以下のような症状を伴う場合は、早めに受診しましょう。
- めまいが頻繁に起こる、または長時間続く
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 頭痛が同時に起こる
- 耳鳴りや難聴を伴う
- 意識がもうろうとする
- 手足のしびれや麻痺を感じる
- 発熱を伴う
- 胸痛や息切れがある
特に高齢の方や持病のある方は、一見軽い症状に思えるめまいでも重大な病気のサインである可能性があるため、まずは当クリニックにご相談ください。
めまいの検査と診断
めまいの原因を調べるため、以下のような検査が行われることがあります。
問診
いつからめまいが始まったか、どのような状況で起こるか、随伴症状はあるかなど、詳しくお聞きします。
血圧測定
座位と立位での血圧測定を行い、起立性低血圧の有無を確認します。
血液検査
貧血や糖尿病、電解質異常などの有無を調べます。
心電図検査
不整脈による循環障害がないか確認します。
頭部CT・MRI検査
脳の血管や組織に異常がないか調べます。症状や年齢によっては他の医療機関へ紹介となる場合もあります。
これらの検査結果をもとに、適切な治療方針を決定していきます。
めまいの治療法と予防法
めまいの原因によって治療法は異なりますが、内科で行われる主な治療としては以下のようなものがあります。
薬物療法
めまいを抑える薬や、原因となる疾患に対する薬を処方します。
生活指導
食生活の改善や運動療法、ストレス管理などを指導します。
リハビリテーション
めまいの原因によっては、特定の頭の動きを繰り返し行うことで症状の改善を図ることがあります。
まとめ:めまいを感じたら迷わず受診を

めまいはさまざまな病気のサインであることが多い症状です。特に繰り返し起こる場合や他の症状を伴う場合は、早めに当クリニックの受診をおすすめします。