内科は、身体の内側で起こるさまざまな不調や病気に対して、診断と治療を行う診療科です。発熱や咳といった風邪の症状から、生活習慣病とされる糖尿病や高血圧など、幅広い疾患に対応しています。
治療では手術を行わず、薬を使った療法や日常生活の見直しを中心に進めていくのが特徴です。このページでは、内科で診てもらえる主な症状や病気について、わかりやすく紹介します。
風邪
いわゆる「風邪」は、鼻や喉などの粘膜にウイルスが感染することで発症します。「かぜ症候群」とも呼ばれ、誰でもかかる身近な病気の一つです。
症状としては、のどの痛み、咳、鼻水、頭痛、関節の痛み、体のだるさなどがよく見られます。原因の多くはウイルスで、ライノウイルスやRSウイルスなど、非常に多くの種類が知られています。飛沫や手を介してうつることがほとんどです。
インフルエンザ
冬になると流行することの多いインフルエンザは(一部冬以外もあり)、インフルエンザウイルスが体内に入って発症する感染症です。38度を超える高熱や、頭や関節の痛み、体の強い倦怠感などが急激にはっきりとした症状が現れるのが特徴です。
高齢の方や赤ちゃん、持病を持っている方が感染すると、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。
新型コロナウィルス
新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)は、2019年以降世界的に広がったウイルス性の病気です。発熱やのどの違和感、咳、だるさなど、風邪やインフルエンザと似た症状が見られることが多く、自分で見分けるのは難しいこともあります。
嘔吐
嘔吐は、内科を訪れる患者さんの中でも頻繁にみられる症状の一つです。胃腸の不調やウイルス感染、また精神的なストレスなど、いろいろな原因が関係していることがあります。
たとえば胃腸炎や胃の病気があると、消化がうまくいかず、体が異常を排出しようとすることで吐き気や嘔吐が起こります。
下痢
水分を多く含んだ便が出て、排便の回数が増える状態が下痢です。原因には食事の内容やウイルス感染、細菌性腸炎、ストレス、潰瘍性大腸炎、クローン病などさまざまなものが考えられます。
軽いものであれば自然に治る場合もありますが、長く続いたり、他の症状もある場合は、医師の診察を受けたほうが安心です。
便秘
便秘は、数日間排便がない状態や、便が硬くて出にくいといった症状を指します。出た後に「出きった感じがしない」と感じるのも便秘の一種とされています。
日本内科学会では、3日以上便が出ない、または出ても残便感がある状態を便秘と定義しています。
頭痛

頭痛は、日常の中で多くの人が経験する症状のひとつです。内科では、緊張型頭痛や片頭痛群発頭痛、感染症に伴う頭痛といった、比較的よく見られるタイプの頭痛の診療を行っています。(まれに脳出血なども鑑別になることがあります)
姿勢の悪さやストレスなどが引き金となることも多く、薬の処方だけでなく、生活リズムの見直しも治療の一環となります。
貧血
貧血は、体の中の赤血球やヘモグロビンが不足することにより、酸素がうまく運ばれなくなる状態を指します。立ち上がった時にふらっとしたり、息切れを感じたりする方は、貧血の可能性があります。
めまい
めまいは「ふわふわする」「目が回る」など、バランス感覚が不安定になる症状です。耳の異常や脳の問題、血圧の変動、心因的な要因など、背景にはさまざまな原因が隠れている場合があります。
肺炎
肺炎は、ウイルスや細菌などが肺に感染し、炎症を起こす病気です。咳や痰、発熱、息苦しさなどが主な症状で、特に高齢者では重症化しやすいため注意が必要です。
風邪のように見えることもありますが、肺炎は早期診断と治療が大切です。
喘息
喘息は、気道に慢性的な炎症が起こり、呼吸がしづらくなる病気です。激しい咳や息苦しさ、「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった音を伴うこともあります。
人によって症状の現れ方が異なり、発作的に悪化することがあるため、継続的な治療が必要です。
消化器系の疾患

食べ物の通り道である食道、胃、小腸、大腸、また肝臓や膵臓、胆のうといった臓器に起こる病気は、消化器系疾患と呼ばれます。
胃の内容物が逆流して胸焼けを起こす逆流性食道炎や、胃潰瘍、過敏性腸症候群、肝炎、胆石、膵炎などが代表的です。これらは消化器内科での診察が必要になります。
糖尿病
糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気です。インスリンの分泌や作用が不十分になることで、ブドウ糖がうまく利用されず、血液中に溜まってしまいます。
進行すると血管や神経、腎臓などに障害が起きる可能性があり、定期的な管理と治療が重要です。
高血圧
血圧が長期にわたって高い状態を高血圧と呼びます。病院で測定した際に、上が140mmHg以上、または下が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。
原因が特定できない「本態性高血圧」と、腎臓病やホルモン異常などの病気が背景にある「二次性高血圧」に分けられます。
麻疹・風疹
麻疹(はしか)や風疹は、どちらもウイルスが引き起こす感染症で、発熱や発疹が主な症状です。特に妊娠中の方が感染すると、赤ちゃんに深刻な影響が出る可能性があります。
麻疹では、咳や鼻水、目の充血などが起こった後、体全体に赤い発疹が広がっていきます。場合によっては肺炎や脳炎などの合併症を引き起こし、重症化することもあります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりするのが睡眠時無呼吸症候群です。10秒以上呼吸が止まることが1時間に5回以上あると診断の対象になります。
十分に眠っているはずなのに日中に強い眠気が出たり、集中力が低下したりするため、生活に大きく影響を与えることがあります。