消化器内科は「おなかの調子が悪い」という身近な症状から、癌などの重篤な疾患までさまざまな消化器官の病気を専門的に診療する診療科です。胃や腸はもちろん、食道、肝臓、胆のう、すい臓など、食べ物の消化と吸収に関わる臓器を広く診察します。
当クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察と適切な検査を行い、症状の原因を突き止め、最適な治療につなげることを目指しています。
どんな症状があれば消化器内科を受診すべき?
消化器内科を受診する目安となる主な症状をご紹介します。これらの症状が見られたら、早めの受診をおすすめします。
- お腹の痛み:場所や痛み方によって原因が異なります
- 背中の痛み:膵臓の病気の可能性があります
- 腹部膨満感:おなかが張る、ガスがたまる感じ
- 胸やけ・呑酸(どんさん):胃酸が食道に逆流する症状
- むかつき・吐き気・嘔吐:食べすぎだけでなく病気のサインかもしれません
- 嚥下(えんげ)困難:食べ物を飲み込みにくい
- 下痢や便秘:一時的なものから慢性的なものまで
- 血便:便に血が混じる症状で緊急性の高い場合も
- 黄疸:皮膚や白目が黄色くなる症状で肝臓や胆道の病気のサイン
- 食欲不振:食べられないほどではないが食欲が落ちている状態
- 体重減少:原因不明の体重減少
これらの症状が2週間以上続く場合や、症状が急に強くなった場合は早めに当クリニックにご相談ください。
消化器内科で診療する主な病気

消化器内科では以下のような病気を診療しています。
上部消化管の病気
- 逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流し、不快感や痛みを引き起こす
- 食道がん・胃がん:早期発見が重要ながん
- 胃炎:胃の粘膜に炎症が起きる状態
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:粘膜が傷つき、くぼみ(潰瘍)ができる病気
- 胃ポリープ:胃の粘膜にできる隆起性の病変
- 機能性ディスペプシア:腹痛や腹部の不快感、食欲低下が続くが、検査では異常が見つからない機能性疾患
下部消化管の病気
- 過敏性腸症候群(IBS):腹痛や便通異常が続くが、検査では異常が見つからない機能性疾患
- 大腸ポリープ:大腸の粘膜にできる隆起性の病変
- 大腸がん:日本人に多いがんの一つで、早期発見で治療成績は向上
- 潰瘍性大腸炎:大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる原因不明の病気
- クローン病:消化管のどこにでも炎症が起こる可能性がある慢性疾患
肝臓・胆道・すい臓の病気
- 脂肪肝:肝臓に脂肪がたまった状態
- ウイルス性肝炎:B型・C型肝炎ウイルスなどによる肝臓の炎症
- アルコール性肝炎:アルコールの多飲で起こる肝臓の炎症
- 肝硬変:肝臓の線維化が進んだ状態
- 胆石症:胆のうや胆管に石ができる病気
- すい炎:すい臓の炎症を起こす病気
- 肝臓がん、すい臓がん:肝臓やすい臓にできるがん
消化器内科での検査について
消化器内科では、症状や疑われる病気に応じてさまざまな検査を行います。
血液検査
肝機能検査、膵酵素検査、炎症マーカー、腫瘍マーカーなどを調べることで、肝臓やすい臓の状態、炎症の有無、腫瘍の可能性などを評価します。
画像検査
- 腹部超音波検査(エコー):痛みなく肝臓、胆のう、すい臓などの状態を観察
- CT検査:X線を使って体の断層画像を撮影
- MRI検査:磁気を利用して体内の状態を詳しく撮影
内視鏡検査
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):食道、胃、十二指腸の内部を直接観察
- 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ):大腸の内部を観察
その他の検査
- 便検査:便潜血検査、細菌培養など
- 呼気試験:ピロリ菌感染の評価
消化器内科を受診する際の準備

初診時に伝えておきたいこと
- いつから症状があるか
- どのような症状か(痛みの場所、程度、頻度など)
- 症状が良くなる・悪くなる状況
- 現在服用している薬
- 過去の病歴やアレルギーの有無
- 家族の病歴(特に消化器系の病気やがん)
検査前の注意点
内視鏡検査などでは、事前に食事制限や投薬制限が必要な場合があります。医師や看護師の指示に従いましょう。
予防と健康管理
生活習慣の見直し
- バランスの良い食生活
- 適度な運動
- 禁煙
- 適量の飲酒
- 規則正しい生活リズム
- ストレスの軽減
定期検診の重要性
40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的に消化器系の検診を受けることをおすすめします。特に、胃がん検診(胃カメラまたはバリウム検査)や大腸がん検診(便潜血検査)は重要です。
まとめ – 早めの受診が大切です
消化器の症状は「様子を見よう」と思いがちですが、早期発見・早期治療が重要な病気も少なくありません。特に中高年の方は、軽い症状でも放置せず、専門医に相談することをおすすめします。
当クリニックでは患者さん一人ひとりの症状や不安に寄り添い、わかりやすい説明と適切な治療を心がけています。消化器の調子が悪いと感じたら、お気軽にご相談ください。