胃カメラ検査とはどのような検査ですか?
胃カメラ検査は、咽頭(のど)、食道、胃、十二指腸の内部を観察する検査法です。当院の胃カメラは、鼻から挿入するための細い内視鏡を使用しております。胃カメラの挿入経路は、鼻から挿入する方法(経鼻法)と、口から挿入する方法(経口法)があり、当院では患者様のご希望に沿って挿入方法を選択しております。
観察した範囲内に、何かしらの病変があった場合、その場で組織を採取する生検検査(顕微鏡で細胞をみる病理検査)を行うことができ、病気の診断にとても有効な検査です。
どんな症状の時に行う検査ですか?
胸やけ、みぞおちの痛みや不快感、胃痛や胃もたれ、食欲低下、など、上腹部の症状がある時に行う検査です。
胃カメラ検査では、逆流性食道炎、胃炎、ポリープ、潰瘍、食道がんや胃がんなど、様々な病気を診断することができます。
また、健康診断などでピロリ菌の存在が疑われた場合や、バリウム検査で異常を指摘された時にも、胃カメラ検査で胃内の状態を評価することが望ましいです。
寝ている間に検査は受けられますか?
当院では、検査にともなう苦痛をより軽減するために、鎮静剤(眠くなるお薬)を使用することができ、眠っている間に検査を受けていただくことができます。
検査後も、眠気が残ったり、ふらついたりすることもあるため、ご気分が改善するまでリクライニングソファーで休憩していただきます(約30分)。
ご帰宅後も、突然眠気がおそってくることがあるため、この薬の使用をご希望される場合は、検査当日の自転車、バイク、車の運転を避けるようにお願いしております。
胃カメラ検査の価格は?
保険診療の場合、胃カメラの検査代は4,000円~10,000円程度です。生検検査を行うかどうかによって金額が変動します。別途、再診料やお薬の処方せん料などがかかることがあります。
当院では、人間ドック胃カメラ検査も受け付けており、16,500円で検査を受けていただくことができます。
ピロリ菌の除菌がすすみ、胃がんの発生率は徐々に減少していますが、除菌をしても胃がんの発生がゼロになるわけではありません。また、ピロリ菌とは関係なく発生する胃がんもあります。胃がんは早期の段階で発見できれば、内視鏡で切除することも可能で、完治できる病気ですので、定期的な胃カメラ検査がとても大事になります。
胃酸の逆流症状、胃痛、胃もたれ、胃の不快感、食欲低下などの症状をお持ちの方にも、胃カメラ検査をおすすめします。胃カメラ検査によって食道・胃の状態を適切に評価し、病状にあったお薬を内服することで、うまく症状をコントロールすることができます。
当院では、お腹の症状で悩まない、快適な生活を過ごしていただけるようにサポートいたします。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)とは
上部消化管内視鏡検査(以下、胃カメラ検査)は、口または鼻から内視鏡を挿入して食道・胃・十二指腸の内部を直接観察する検査です。胃カメラ検査によって食道炎、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ポリープ、腫瘍などの病変を発見できます。
胃カメラ検査では必要に応じて組織の一部を採取(生検)することも可能で、悪性腫瘍(がん)の診断にも役立ちます。ピロリ菌感染の有無も評価することができます。
胃カメラ検査が必要なケース
以下のような症状や状況がある場合、胃カメラ検査が推奨されることがあります。
症状がある場合
- 胃の痛みや不快感が続く
- 胸やけや酸っぱいものが込み上げてくる感覚(逆流症状)
- 食欲不振や体重減少
- 嘔吐、特に血が混じっている場合
- 黒色便(消化管出血の可能性)
- 貧血(原因不明の場合)
症状がない方でも、定期的な検査を受けることが望ましいです。
症状がなくても検査をすすめられるケース
- 50歳以上の方(胃がんのリスクが高まる年齢)
- 胃がんの家族歴がある方
- 過去に胃炎、胃潰瘍、ポリープなどと診断されたことがある方
- ピロリ菌感染者や除菌後の方
健康診断の一環として胃カメラ検査を受ける方も増えています。胃がんは早期発見・早期治療が重要なため、定期的な検査がおすすめです。
胃カメラ検査の種類
胃内視鏡検査には、挿入経路や鎮静剤の使用によって以下のような種類があります。
挿入経路による分類
経口内視鏡検査(口からの挿入)
一般的な方法で、口から内視鏡を挿入します。挿入時に多少の違和感がありますが、検査中は楽に呼吸できます。
経鼻内視鏡検査(鼻からの挿入)
鼻から細い内視鏡を挿入する方法です。口からの挿入に比べて挿入時の違和感が少ないのがメリットですが、鼻の構造によっては実施できなかったり、痛みを伴う場合もあります。
鎮静剤の使用
鎮静剤とは、睡眠薬のような薬のことを指します。検査開始直前に鎮静剤を投与することによって、うとうとした状態(軽い睡眠状態)で検査を行うことができます。検査中の不快感や恐怖感を軽減できるメリットがあります。デメリットとしては、検査後にふらついてしまったり、検査当日は車、バイク、自転車などの運転ができなくなります。
胃カメラ検査前の準備

胃カメラ検査を受ける前には、以下のような準備が必要です。
食事の制限
午前中に検査を受ける場合
- 検査前日の夕食:軽めの食事を21時までに済ませる
- 検査当日の朝食:絶食(水やお茶などの透明な飲み物は検査前まで飲んで構いません)
午後に検査を受ける場合
- 検査当日の朝食:ゼリーなどの軽めの食事を朝7時までに済ませる
- 検査当日の昼食:絶食(水やお茶などの透明な飲み物は検査前まで飲んで構いません)
服薬について
- 普段服用している薬がある場合は、事前に医師に相談してください
- 特に以下の薬は注意が必要です。
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血小板薬)
- 糖尿病の薬(特にインスリン)
- 高血圧の薬
当日の持ち物
- 健康保険証
- お薬手帳(服用中の薬がある場合)
- 診察券(初診の場合は不要)
- 問診票(事前に配布されている場合)
その他の注意点
- 化粧や香水は控えめにしましょう
- 金属を使ったアクセサリー(ネックレスやピアスなど)は外しておくとよいでしょう
- 鎮静剤の使用した胃カメラ検査を希望される方は、当日の車、バイク、自転車の運転ができなくなります
胃カメラ検査の流れ
胃カメラ検査は一般的に以下のような流れで行われます。
1. 問診
まず、医師や看護師からその日の体調、アレルギーの有無などについて確認があります。また、血圧や脈拍、血中酸素飽和度などの測定を行います。
不安なことや質問があれば、この時点で相談しましょう。
2. 前処置
局所麻酔(経口の場合)
局所麻酔薬が入ったゼリーやスプレーによって、咽頭部(のど)の感覚を鈍らせます。これにより、内視鏡挿入時の違和感や吐き気を軽減します。
鼻腔処置(経鼻の場合)
鼻の中に血管収縮剤や局所麻酔薬を流し、シリコン製の軟らかい棒で鼻腔を拡張させます。
3. 検査開始
- 横向きに寝る体勢をとります
- 口からの挿入の場合は、マウスピース(内視鏡が歯に当たるのを防ぐための器具)を口に装着します
- 鎮静剤を使用する場合、点滴から鎮静剤を投与します。
4. 内視鏡の挿入と観察
医師が内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸を順番に観察していきます。内視鏡から空気を送り込み、胃を膨らませることで、粘膜の状態をより詳しく観察します。
5. 必要に応じて処置や組織採取
精密検査が必要な病変が認められた場合は、内視鏡を通して鉗子(かんし)を挿入し、組織の一部を採取(生検)することがあります。
6. 検査の終了
内視鏡をゆっくりと引き抜いて検査は終了します。検査時間は通常5〜10分程度ですが、処置や生検を行う場合は多少前後します。
胃カメラ検査の精度と安全性

胃カメラ検査は、胃の病変を発見するための最も精度の高い検査方法の一つです。特に早期胃がんの発見には非常に有効で、適切な治療につなげることができます。
安全性についても、熟練した医師が実施する場合、重大な合併症が起こる確率は極めて低いとされています。ただし、どんな検査にもリスクはあり、まれに以下のような合併症が起こる可能性があります。
- 消化管穿孔(消化管の壁に穴が開けてしまう)
- 出血(粘膜からの出血、生検による出血)
- 誤嚥性肺炎(唾液や胃液が肺に入ることによる肺炎)
- 循環器・呼吸器系の合併症(特に高齢者や基礎疾患のある方)
当クリニックでは検査前に十分な説明を行い、患者さんの状態を慎重に評価した上で検査を実施しています。
まとめ
胃カメラ検査は、胃の不調や異常を発見するための重要な検査です。特に胃がんの早期発見には非常に有効で、適切な治療につなげられます。
当クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態や希望に合わせた検査方法をご提案し、安心して検査を受けていただけるよう努めています。胃の不調でお悩みの方、健康診断で胃カメラ検査をすすめられた方は、ぜひご相談ください。