風邪とはどのような病気か
風邪は正式には「かぜ症候群」と呼ばれ、主に鼻や喉など、空気の通り道である気道の上部に起こる感染症です。原因のほとんどはウイルス性で、ライノウイルスやコロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなど、多くの種類が存在します。細菌が原因になることもあり、溶連菌やインフルエンザ桿菌などの感染によって発症します。
特に冬場や季節の変わり目にかけて、気温や湿度の変化とともに流行しやすくなります。ウイルスは咳やくしゃみを介した飛沫や、手指を通じた接触で広がることが多いため、家庭や職場など身近な場所でも感染が起こりやすくなるため、十分な注意が必要です。
風邪の症状
上気道症状:鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻詰まり)、咽頭痛、嗄声(声かれ)、咳、痰
全身症状:発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛、食欲不振
風邪の検査
まず問診、診察によって、感染部位の推定、ウイルス性か細菌性かの鑑別を行います。
ウイルス性が疑われた場合、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの迅速検査を行い、この2種類のウイルス感染かどうかを判別します。
細菌性の可能性が疑われた場合は、溶連菌やマイコプラズマなどの迅速検査を行うことがあります。
自宅でできる風邪への対処法、治療法
風邪の大半はウイルス性のため、自然に回復するケースが多く見られます。自宅で安静にし、こまめな水分摂取、保温、安静、栄養摂取によって自然治癒が得られます。
症状が強い時は、その症状に対する「対症療法」を行います。具体的には、発熱や倦怠感に対しては解熱薬(熱冷まし)、咳に対しては鎮咳薬(咳止め)、痰に対しては去痰薬(痰切り)などです。
コロナウイルスやインフルエンザウイルスの診断がついた場合は、抗ウイルス薬の適応になります。受診や診断のタイミング、症状の程度によって内服をするか判断します。
細菌性の風邪が疑われる場合は、抗生物質の内服を行うことによって、症状の改善を図ります。特に、粘性の強い色のついた鼻汁や痰が出る、扁桃腺が赤く腫れあがっている、などの症状がある場合には、細菌性が疑われるため、抗生物質の内服をお勧めします。
早めの受診をしたほうがよい方
「風邪くらいなら病院に行かなくてもいい」と考える方も少なくありません。しかし、以下のような症状が見られる場合は、より早めの受診をおすすめします。
- 高熱が3日以上続く
- 咳が長引き、息苦しさを感じる
- 痰が黄色や緑色で、量が多い
- 胸の痛みや動悸がある
- 高齢者や小児、持病のある方で症状が悪化している
これらは、風邪以外の疾患が疑われるケースもあるため、早期に診察を受けることが大切です。早期に受診することで、症状の回復が早まる可能性が高まります。
当クリニックでの風邪の診療
当院では、風邪の症状でお悩みの方に対して丁寧な診療を行っています。軽い咳や喉の痛みといった初期症状でも、安心してご相談いただけるよう、診療体制を整えております。
必要に応じて迅速な検査を行い、ウイルス性・細菌性の見極めや、適切な処方をいたします。混雑を避けるため、来院前にお電話でのご相談も可能です。
日常生活で意識したい風邪の予防方法

風邪を引きにくい体づくりは、日々の習慣から始まります。基本となるのは手洗い・うがい・マスク着用の徹底です。外出先から帰宅したら、まず手を洗い、喉を清潔に保つことで、感染リスクを減らすことができます。
新型コロナウイルス感染症の影響下で、外出自粛が叫ばれていた時期にはマスクを常時、つけていた方もいるでしょう。風邪の予防においても、マスクの着用は有効です。風邪を予防するには、マスクを着用しましょう。
また、室内の換気をこまめに行い、加湿器などで適度な湿度を保つことも、ウイルスの活性を抑えるのに有効です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスをためないことも、免疫力の維持につながります。
風邪は多くの方が経験する身近な病気ですが、適切なタイミングでの対処が、回復の早さを左右します。
体調に異変を感じたら、無理をせず早めの対応を心がけましょう。当クリニックでは、地域の皆様の健康を支えるために、いつでも安心してご相談いただける体制を整えております。